日時:2018.3.29(THU) 10:00~11:30
会場:千葉県野田市北コミュニティ会館 第一集会室
【開始前の様子】受付9:45〜10:00
会場には、早々に来て受付を済ませ、顔見知りのお友達同士で賑やかに走り回る低学年の姿。
高学年は、比較的大人しく、でも自由に過ごしている。
すでに気心知れたメンバーが多い中、やはり緊張している様子の子もチラホラ。
【からだであそぼう(表現教育)】 10:10〜10:30
参加者が揃うのを待って、10分遅れでスタート。
哲学対話に向けての場づくり、発言のしやすい空気作りのために取り入れた活動でもある。
まずは、今日の活動を伝えて、隣の子とペアワーク。失敗が楽しい。笑顔がこぼれる。
身体を動かすことでのリラックスを狙い、ストップ&ゴー。それぞれに個性が出る。
拍手回しでは、初めはふざける子もいたが、タイムを計ると俄然やる気の一体感。
発言する事への警戒心を取るためのグループワークは、時間切れでできず、残念。
しかし、だいぶリラックスして取り組める空気になる。
【哲学対話】 10:30〜11:15
低学年と高学年に分かれての対話。(常盤:高学年ファシリ、胡糸:低学年ファシリ)テーマ「遊ぶ」
◎低学年チーム(8人)
輪になって、レジャーシートに座る。
靴を脱いで、シートに座ることで、さらにリラックスできる感じがある。
チームメンバーを再確認、また親しみを感じられるように、名前を呼び合う。
みんなから自分の名前を呼ばれると嬉しそうな表情。大人も、ね。
「哲学対話とは?」
なぜ?どうして?疑問に思ったこと、考えたり感じたりしたことを、みんなに伝えたり、みんなの話を聞いたりして、自分の考えを深める時間。
みんなが良い時間を過ごせるためのルール説明。
発言が重なることが多かったので、コミュニティボールを導入することにする。
Q:「あそぶ」って聞くとどんなことが思い浮かぶかな?
外で遊ぶ=サッカーとかドッジボールとか、公園
Q:中だと? →家の中でおもちゃとかで
でも、一人より、大勢で遊ぶほうがいい
Q:大勢のお友達ってどんなお友達?
仲良し →仲良しって、どういうこと?
→長い付き合い、気があう →気があうってどういうこと?
→趣味や好きなことが同じ
Q:仲良しじゃないと遊べない?
→好きな遊びが同じなら遊べる
問いかけに、どんどん発言していく子ども達の姿。
考えが生まれ、発言する喜びが感じられる。
子ども達同士も、互いの発言に触発されて、様々に意見が出始める。
特に、彼らの大きなテーマとなったのが・・・「生き物(昆虫)採集」
「僕は、カナヘビとか捕まえるのが好き」
という一人の子の好きな遊びの発言から、生き物、昆虫採集などに関心の高い男の子の発言が豊かになり、話は絶滅危惧種や環境破壊にまで発展!!
8人の中で唯一の女の子も、じっくり考えながら、自分の言葉で考えを発言し、また、言葉数の少なかった男の子も、みんなが「昆虫採集が好き」と言っている中、「僕は嫌い、捕まえられなかったら悔しいから」としっかり自分の考えが述べられていた。
いわゆるルールのあるゲーム性の高い遊びではなく、「生き物を捕まえる」という少し違う要素の話題が中心となったことが、こちらとしても大変興味深かった。それぞれのこだわりが強い「遊び」だったのかもしれない。
また、言いたいことがうまく言えずに考える姿を待つ他の子達や、互いの発言に刺激され考えを巡らせる姿が想像以上に素晴らしかった。
どの子も普段からよく物事を考え、また機会さえあれば、発言する気持ちになり、また発言できる力があるのだなあと、改めて感じる。
◎高学年チーム
小学4、5年生の7人で話しあう。哲学対話らしい質問を少し練習し、守ってほしい約束を話した後、皆で問いを決めた。
最初の問いは「初めて会った外国人の子どもと楽しく遊ぶことはできるかな?」に決まり、そこから対話をはじめた。
- 大体、一緒に遊ぶ機会や時間がない。
- 共通の遊びがあればできるのでは。
- 言葉が通じなくても、どちらかが、自分たちの遊びを身振り手振りを交えてルールを教えれば、遊ぶ事はできるのではないか。
それから、対話は自分たちの遊びの経験に。
Q.最近「楽しく」遊んだ遊びとは?
- ランニングして筋肉痛になった事
- パソコンゲーム
- 木登り
Q遊ぶ事で、心の中ではどんな変化が起こって、楽しくなるのかな?
- 良い景色を見て、嫌な気分を忘れられる。
- 人をからかったり、親に反抗してもスッキリする。
- でも人が嫌なことをするのは良くない。
- 皆で怖い話しを聞くのは楽しい
Q.たとえ怖い事でも、「皆で」だったら「遊び」になるのかな?
- 一人で怖い話しをきくのは怖いけど、みんなで気持ちを共有するのは楽しい。
- 木登りも同じ景色を見て、気持ちを共有するのが楽しい、パソコンゲームだって、他のプレイヤーと関わったりするから楽しい。
- ランニングを1人でしても楽しいし遊びだよ。
Q「遊び」とはどういうことかな?
- 自分が面白ければ遊び。
Q勉強やいじめも自分が楽しければ遊びになるのかな?
- 勉強でもその人が面白ければ遊び。
- 関係している人が1人でも嫌な思いをしていれば遊びではない、反対に関係している人が楽しければパソコンゲームでも遊び。
そして、最後にまた最初の問い「初めて会った外国人の子どもと楽しく遊ぶことはできるかな?」へ戻って、終了の時間となった。
対話の時間は最初の説明も含めて45分だったが、あっという間に終わってしまった。
サポートして下さった大人からも、「想像していたのとは違う意見を聞けておもしろいなと思いました。子どもがじっくり考える機会はなかなかないので、子どもたちがたくさん考える事ができて良かったです」と感想を頂いた。
今回初めて哲学の森での子ども哲学対話だったが、一人一人が「どうして?」「どういうことかな?」と問いかけることによって、より深く他人や自分を知る切っ掛けになれば。
【振り返り:オヤツタイム】 11:15〜11:30
集中して話した子ども達と、オヤツブレイク(ちょっとしたお菓子と飲み物)しつつ、振り返り。
低学年、高学年の対話の内容を互いにシェア&感想書き出し
「考える」「伝える」「人の話を聞く」という楽しさ、子ども達にも伝わったかな?
楽しく深める対話の時間、これからも続けていきたいですね。
次回開催もお待ちください!
文責:つむぎの森*胡糸
(哲学対話高学年チームの部分のみ、哲学な野田*常盤)